MBB の拡張と MTC

前回のエントリにて、(i) 5G ではあらゆるデバイスが接続する事を想定していること、(ii) あらゆるデバイスはそれぞれの用途によって求められる特性が異なることを述べた。様々な種類のデバイスに求められる特性全てを、一つの規格で定義し、一つの種類の無線アクセスに収容する事は現実的ではない。

5G では、スマートフォンといった従来の端末 (MBB: Mobile Broad Band) に加え、MTC (Machine Type Communication) を想定し、それぞれの特性に応じた無線アクセスを規定している。MTC については、さらに mMTC (massive MTC) と uMTC (ultra-reaiable MTC) に分類されている。

xMBB (extreme Mobile Broad Band)

主に人が使う端末を想定している。電話のような即時性、ビデオストリーミングのような高速通信、電話会議のような帯域保証といったものが必要となる。端末のさらなる普及により、収容効率の向上(数を増やすこと、数が増えても全体のスループットが落ちないこと)も運用上必要だ。

mMTC (massive Machine Type Communication)

一般的に想像される IoT 機器にあたる。電力自由化によってなんとなく耳にするようになってきたスマートメータ、センサ端末、工業ロボットなどなど。これらは、圧倒的な高速通信こそ必要ない場合が多いが、広いカバレッジ、省電力、圧倒的な収容可能数が求められる。

uMTC (ultra-reliable MTC)

危険回避のための車載機器や、遠隔医療など、パケットロスや遅延の許されないような機器を想定している。低遅延、高信頼性、帯域保証といったものが求められる。