SON

Analyst Angle: Is SON the future of cellular networks?

SON は Self Organizing Network の略。

従来のエリア構築にあたっては、基地局の初期設定やエリアに関するパラメータといった情報は人が設計した上で投入してきた。当然、オペレーションについても人が行う。

セルラネットワークへの品質ニーズ(速度、カバレッジ、サービス継続性)が高まってくると、自然と基地局も密になってくる。そのような環境の変化に対して、人が設計をしていくというやり方ではいつか破綻が生じる。具体的には、基地局が増えれば増えるほど、工数がかかるし、エリアパラメータが収束しない、収束したとしてもそれが本当にベストなエリアかどうかは分からない。

それを解決するためのアプローチが、SON となる。

自己組織化については化学といった分野で古くから研究されている。分子一つ一つが隣接した分子と情報の交換を行い、変化を起こしていく事で、ある一つの分子構造に収束する、といった感じのものだ。SON では基地局一つ一つを要素として、それぞれがパラメータを与えられなくとも隣接した基地局の情報を元に、一つのパターンに収束するという事になる。

SON の主要機能(収束させるべき目標)は主に 3 つに分類できる。

  1. Self-configuration
  2. Self-optimization
  3. Self-healing

ただし、Self-healing については、他の二つと比較すると毛色が異なる。というのも、前者 2 つは、基本的には、周辺含めた基地局の設定を収束させる事を目的としているが、Self-healing については、自動修復、すなわち、ある基地局に問題が起きた時に自動リセットがかかるとか、システムの運用自動化の側面が強いからだ。もっと言えば、configuration/optimization については「どういったものを最適とするか」という観点が重要になる(例えばエリアのカバレッジとトータルスループットは共存できないかもしれない)が、自動修復については「健全な状態に戻す」という意味ではベクトルを揃えやすい。

という事で、SON の難しいところは、互いに毛色の違う 3 つの機能を SON として一まとめに考えてしまうところかもしれない。