D2D

D2D Communications - What Part Will It Play in 5G? - Ericsson Research BlogEricsson Research Blog

5G で検討されている通信の一つが D2D. LTE でも Rel.12 から標準になっているようだ。

現行のセルラシステムでは、スマートフォンなどの端末は基地局と通信を行う事で、ネットワークの接続性を確立している。5 メートル離れた人と電話するにも基地局をインタフェースとして RAN を経由する。隣り合った人に LINE で画像のやり取りをするにしても基地局を経由してコアに収容されインタネット網に入って LINE のサーバに接続され、というような流れになる。よく、トランシーバを引き合いに出されて携帯電話が繋がる仕組みは説明される。

一方で D2D は、トランシーバのような仕組みで通信を行う。iPhone を使っている人であれば、AirDrop と言われる方がピンとくるかもしれない。ようするに、データが基地局などのインフラを経由せずに、端末間で直接やりとりされる。こうする事で、余計なトラフィックがセルラネットワークを介さないので、高スループットや低遅延が期待できる。

しかしながら、たくさんの端末がD2D でやりとりしたとして、それらが好き勝手に通信を行なった場合、無線リソースの衝突といった問題が起きる。10 年ほど前、アドホックネットワークは盛んに研究されていたが、それらは互いに自立分散的に通信を行うため、多くは干渉、フレーム衝突の問題をクリアする事ができず、ネットワーク全体のスループットが上がらないという悩みを持っていた。

D2D では、基地局が D2D の通信も制御する事で、セル全体のスループットを上げようとしている。ある端末が基地局と通信させる予定のリソースを、その端末が D2D で使えるように割り当てるイメージだ。

とはいえ、これはアプリレイヤとしてみると、クライアントサーバモデルではないので、いわゆる P2P の通信でのみ有効になるだろう。当分の用途としては、車車間の緊急性を伴う通信、または、簡易な動画といったデータのやりとり程度だろうか。

今後、こういった機能を積極的に使うという事であれば、セルラ・ネットワークの機能を API としてアプリケーションに提供できないといけないのだろうなぁというところ。