5G SA に最も近いかもしれない楽天モバイル

日本含め、多くのオペレータが最初に導入する 5G は NSA 構成である。しかし、(いつになるかは別として)将来的には SA 構成が導入される。例えば、楽天は、ソフトウェアベースのネットワークという文脈で、5G SA の早期対応を謳っている。

【イベントレポート】「楽天モバイルの5Gは真の5G」、QualcommやIntelとも協業しインフラ構築 - PC Watch

5G SA は、5GC と NR で構成されたモバイルネットワーク。5G NSA 構成との違いは、コアは 5GC がその役割を担うことが大きい。

EPC(4G LTE や 5G NSA で使われるコア)ではできない事が 5GC ではできる。5GC でできることは、3GPP TS23.501 (System Architecture for 5G System) に記載されている。

とはいえ、TS23.501 Rel.16 (2019-06) 版で、word 300 ページ以上のページがある。ここから、標準上、何ができるかを見出し、ビジネス観点で何が有益かを見出し、それを装置として開発・導入し、サービス開発を行い、市場に投入してその価値を問うというのが、5G SA 導入までの道のりである。

楽天の場合は、早々に SA 構成とした方が手っ取り早いかもしれない。端末が SA 対応であれば、新たに割り当てられる 28GHz や3.7GHz を設置すれば、(1.7GHz LTE がないエリアでも)5G サービスができる。

楽天にとって SA/NSA の差がソフトウェアにしかすぎないのであれば、とりあえず SA を導入しておくというのは良い選択肢になり得る。公言していること(商用環境と同等のラボを有し、テストは全部自動化してある)ことが事実ならば、EPC に加えて 5GC が入ってきたところでそのコストはソフトウェア購入費用分だけになる。