OTT によるインフラの支配

A 5G Apple iPhone? Don't Hold Your Breath! | Light Reading

Apple が 28GHz 帯の実験用免許を取得した。28GHz 帯は 5G での利用が見込まれているものである。Apple 以外にも、以前から Google も同様の動きを見せているし、Facebook も別アプローチながらやはりインフラに目を向けている

これら OTT の動きをみると、Apple が端末メーカとして無線インタフェースとして 28GHz 帯に興味を持っているわけではなく、OTT がインフラに手を出していく潮流の中の 1 つであると考えられる。インフラの掌握というのは、(経営を軌道に乗せることができれば)インフラというストックモデルの中でより安定した収益を確保できるし、サービスやアプリケーションからラストワンマイルまでを垂直統合することによるシナジーを出せるといった展望がある。

例えば、AT&TDirecTV を絡めて、ビデオストリーミングをキラーコンテンツとしようとしている。いくら通信速度が速くても、それを活かすサービス、流したいトラフィックがなければユーザはインフラを必要としない。インフラというのは結局のところサービスあってのものだからだ。通信事業者と OTT それぞれがインフラを作ることを考えると、新しいインフラを作るという意味では通信事業者は有利だ。しかし、新しいインフラを使うためのモチベーションを持ってもらいやすいのは、サービスを持っている OTT の方かもしれない。

時価総額ランキングを見ると、Apple, Facebook, Alphabet, Amazon などなどが上位を占めている。IT の世界では OTT が主導権を握っていると言える。そのうち、こういった OTT による通信事業者の買収が始まる可能性もあるのかなとも思う。