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Network Slicing と NFV

Understanding network slicing, a key technology for 5G

Network Slicing は主にモバイルネットワークにおけるコア部分を論理的に分割する概念である。従来、通信事業者は RAN とコアネットワークをそれぞれ物理的に構築していたが、特に NFV の台頭によってそれらを論理的に区切る事が出来るようになってきた。例えば、LTE でいうと EPC 部分について今まではサービス毎に EPC を分けるためには、それぞれのサービス毎に EPC を個別に構築する必要があった。こういった事は規模の大きな事業者でしかできなかったものを、仮想的(論理的)に行おうというものである。Slice された Network はお互い別のものと認識されるので、例えば Network A の負荷や輻輳が Network B に与える影響というものが一切なくなる。

具体的な用途としては、(i) MVNO に対して個別に EPC 提供する、(ii) 法人向けに料金体系や要求品質にあった性能の EPC を提供する、(iii) 重要サービスとベストエフォート系サービスで収容を分ける、といったものが挙げられる。(iii) については、5G が eMBB, mMTC, URLLC と大きく分けて 3 つのタイプに分けられる事からも現実味がある。例えば、mMTC については予期せぬバーストトラフィックや安価な料金設定などが想定されるので、そういった「とにかく数を捌かさないといけないトラフィック」は専用の EPC に収容させた方が良い(eMBB や URLLC に影響を与えたくない)。しかし、mMTC 用に EPC を個別構築したのではコスト的に折り合いがつかなくなる。そういった観点からすると、Network Slicing を使って mMTC 用の EPC を切り出すという発想になってくる。

Network Slicing は NFV によって実現される事になるだろう。主として、論理的なネットワークの自動構築、処理性能が足りなくなった場合に処理性能を向上させる(割り当てリソースを増やす)スケールアウト、障害が発生した時に自動復旧させるためのオートヒールといった機能が活躍すると思われる。

仮想化のメリットの一つと言われていたのが集約によるコスト削減であったが、最近のトレンドは仮想化による付加価値の提供の方に寄っているように感じる。従来であれば仕方なく単一のネットワーク、単一のサービスになってしまっていたところが、仮想化(とそれを運用するために推進された自動化)によって、個別の顧客やサービスに見合ったインフラの提供が出来るようになるというのは、仮想化の大きな武器であろう。