5G を提供するモチベーション

Qualcomm says 5G is the biggest thing since electricity - CNET

5G を牽引するキラーアプリは何か?

4G の時にはどうだっただろうか。docomoLTE を国内でいち早くリリースしたが、その時には PC に USB で接続するタイプのデータ通信端末であった。当然、爆発的な普及はせず、ビジネスユースがメインだった。

LTE を牽引したのはスマートフォン、特に iPhone だったと言える。LTE は当初からスマートフォンの登場を予見していたのだろうか? 少なくともそうではないだろう。端末もアプリケーションも、その登場を予見できずに通信規格は策定されてきた。通信技術というのは過去からずっと、どのようなサービスに化けるかわからない中で革新が進んできた。

5G では、URLLC や mMTC といったように、サービスタイプを定義してその規格策定が進められている。自動運転や工業機械など、ユースケースは議論されているが、しかし、やはり 5G ではどのようなサービスがキラーアプリとなるか誰にも分かっていない。現状は、北米では FWA を視野に入れているが、それが全てにはならない。もしかしたら、キラーアプリなど出て来ないかもしれない。

だからと言って、通信事業者は 5G を準備しないわけにはいかないだろう。国内に目を向ければ、MVNO による安価な LTE サービスが普及してきている。L3 接続による MVNO は PGW を終端しており、すなわちエリアの品質という観点でいえば MVNO と MNO の差はないという事になる(実際には自前設備の処理能力の差によって、事業者によっては特定の時間帯に繋がりやすさが変わる)。このまま行けば、特に MNO は高いだけで差別化要素が出せずに負けていくだろう。

MNO が生き残る道のひとつが、5G のインフラを整備し、いつ出てくるかわからない救世主となるアプリの登場を待つ事になるだろう。そうなると、MNO が MVNO に対して 5G を解放する義務が有る(またはいつから生じる)かどうかというところ。