M-CORD

CORD releases open sourced VEPC in support of 5G deployment plans

CORD というのは、Central Office Re-architected as a Datacenter の略。通信事業者などが持っている中規模の交換センター (Central Office) を、来るべき将来に備えて有効活用しようというものである。具体的には、Central Office に設置されている装置を仮想化していき、集約効率を高めたり、さまざまなファンクションを柔軟に構築できるようにする。または、Central Office ごとに少しずつリソースを取得し、それらを統合させて一つのある程度の規模のデータセンタに見立てるといったこともできるだろう。

CORD のモチベーションとして、ロケーションの有効活用というのがある。用地確保やそこに建物を立てるのは大変だ。建物を建てるのにもまとまったお金が必要だし、用地という点ではそもそも場所を見つけるのに苦労する。データセンタだと、田舎のところに建てるというところになるが、やはり運用にはいくらかの人が必要なので利便性はある程度確保したかったり、電源経路を冗長にとるという観点でいけば、電力事業者にお願いして複数のソースから電力を引き込まないといけないなど制約が多い。

仮想化では異なるサイトに設置されている少数のリソースを組み合わせて一つのプールを形成することもできる。パフォーマンスは落ちやすいだろうが、サイト冗長という観点では有益だろう。既存のリソースを有効活用できるならば、なおよしだ。

CORD をモバイル分野にも導入しようというのが M-CORD であり、5G でもAT&T などが導入を目指しているようだ。具体的な使い方がどうなるか、という話になってくるが、EPC や RAN の仮想化が進んでいく中で、各サイトも仮想化基盤に置き換えていくという選択は、柔軟なネットワーク形成という観点で潰しが効きそうだ。

もちろん、潰しが効くかどうかで投資というのは行われないけれど。