Precoding

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MIMO によって情報を効果的に伝送するにあたって必要なのが、(ノイズの除去に加えて)伝送路推定である。

受信側で伝送路が推定できれば、ノイズを除去した後、それぞれの伝送路の特徴を元にして送信されてきた信号を復調する事ができる。受信側の信号を r, 送るべき信号を s, 伝送路を h, ノイズを n とすると、r=sh+n で表される。

伝送路の推定を送信側でしておけば(すなわち h をキャンセルさせるような信号を予め掛け合わせて送信しておけば)、受信側で特に複雑な計算を行わずとも利得を最大化できるような形で信号を伝送する事ができる。これが Precoding の考え方だ。位相が 90 度遅れるような環境であれば、あらかじめ 90 度早めて送れば受信する際にはピッタリとする、というようなイメージ。受信側で余計な計算が要らなくなるし、伝送路の影響で信号が崩れにくくなれば、それだけノイズの影響を受けづらくなる。