Vodafone might deploy 5G network based on Open RAN

Vodafone が TIP の Open RAN ベースで、5G 装置調達の準備を進めている様子。

Open RAN gets major boost with Vodafone announcing European tender

Vodafone offers Europe up to OpenRAN - Mobile World Live

The Mobile Network » Vodafone stuns TIP Summit by putting whole Euro network up for grabs

Vodafone and TIP OpenRAN trials extend to UK, DRC and Mozambique - Telecom Infra Project

ORAN Alliance ではないのか、と思って調べてみると、Vodafone のメンバーが TIP の Co-Chair を担っているようだ(Open RAN 5G NR WG とか)。

5G SA に最も近いかもしれない楽天モバイル

日本含め、多くのオペレータが最初に導入する 5G は NSA 構成である。しかし、(いつになるかは別として)将来的には SA 構成が導入される。例えば、楽天は、ソフトウェアベースのネットワークという文脈で、5G SA の早期対応を謳っている。

【イベントレポート】「楽天モバイルの5Gは真の5G」、QualcommやIntelとも協業しインフラ構築 - PC Watch

5G SA は、5GC と NR で構成されたモバイルネットワーク。5G NSA 構成との違いは、コアは 5GC がその役割を担うことが大きい。

EPC(4G LTE や 5G NSA で使われるコア)ではできない事が 5GC ではできる。5GC でできることは、3GPP TS23.501 (System Architecture for 5G System) に記載されている。

とはいえ、TS23.501 Rel.16 (2019-06) 版で、word 300 ページ以上のページがある。ここから、標準上、何ができるかを見出し、ビジネス観点で何が有益かを見出し、それを装置として開発・導入し、サービス開発を行い、市場に投入してその価値を問うというのが、5G SA 導入までの道のりである。

楽天の場合は、早々に SA 構成とした方が手っ取り早いかもしれない。端末が SA 対応であれば、新たに割り当てられる 28GHz や3.7GHz を設置すれば、(1.7GHz LTE がないエリアでも)5G サービスができる。

楽天にとって SA/NSA の差がソフトウェアにしかすぎないのであれば、とりあえず SA を導入しておくというのは良い選択肢になり得る。公言していること(商用環境と同等のラボを有し、テストは全部自動化してある)ことが事実ならば、EPC に加えて 5GC が入ってきたところでそのコストはソフトウェア購入費用分だけになる。

URLLC

Press Releases : DOCOMO Conducts World's First Successful Outdoor Trial of 5G Technologies for Ultra-Reliable Low-Latency Communications | News & Notices | NTT DOCOMO
報道発表資料 : (お知らせ)世界初5G高信頼低遅延通信(URLLC)の屋外実験に成功 | お知らせ | NTTドコモ


docomoHuawei が共同で URLLC の実証実験に成功したとのこと。URLLC の要件である、99.999% の信頼性(パケット伝送の成功率)と 1 ミリ秒の無線区間の伝送遅延を達成した。

日本語のリリースによると、「上り、下りにおけるデータ通信時の伝送時間(伝送時間にはデータを繰り返し送信することも含む)をそれぞれ約0.125ミリ秒に抑える」とあるので、TTI や 再送処理の調整を行っているのではないかと思う。例えば、HARQ のように NACK を受けて再送するのではなく先行して同じフレームを複数回送る事で、無線リソースの効率は落ちるものの、その分信頼性は上がる。

実際、ここに対してどのようなアプリケーションを載せていくかというのが重要になるだろう。例えば、無線区間の遅延が低減できたとしても、5G システムとアプリケーションとのインターフェースを適切に設計しないと、エンドエンド遅延の低減は難しい。ミリ秒未満の低遅延という話となると、例えば単純に 非リアルタイム OS のアプリケーションを Ethernet で結合しただけでは、それだけでジッタを生む要因になるだろう。

5G mmWave Coverage

Huawei and LG U+ completes 5G urban field test - Gizbot
LG U+ completes 5G field test in Seoul with Huawei | TelecomLead
LG U+ and Huawei Successfully Conduct 5G Urban Field Test - Huawei Press Center

Huawei と LGU+ によるフィールドトライアルの記事。韓国(ソウル)に mmWave のエリアを形成し、カバレッジおよびスループット確認を実施したというもの。

こういった試験を行う事で、概ね mmWave を使用した時のエリアの出来については評価できそうだ。都市部の構造物や人による遮蔽がエリア品質にどのような影響を与えるか、それを踏まえて、どのように gNB を展開するかといった基礎データになりうる。


加えて重要なのが屋内に対してのカバレッジであるが、現状は Nokia と Qualcomm のホワイトペーパー にあるように、屋内については目下検討中というところだろう。

Facebook のマルチホップネットワーク

Facebook-backed Telecom Infra Project adds a new focus on millimeter wave tech for 5G | TechCrunch

Facebook の計画。60GHz mmWave を使ってアクセス網を作る。オペレータには真似できないチャレンジな計画。

mmWave の周波数特性とビームフォーミング技術を活かすと、狙ったところにビームが出せる。これを使ってマルチホップネットワークを形成する。マルチホップネットワークで複数の経路を確保し、mmWave 特有の遮蔽影響を抑えるというのが技術的なコンセプトであろう。

北米では Google Fiber の登場から伺えるように、ブロードバンド普及に関してまだまだ市場が残っているようで、Verizon も FWA として Pre-5G サービスを展開する。

北米でブロードバンドアクセス網の整備が遅れたのは、おそらく国土の広さが起因していると思われる。ラストワンを無線にする Verizon, 全て無線でやる Facebook で対比すると、現実性という観点からは、 Verizon に分がある。しかし、その固定観念がチャレンジや技術革新を阻害し、既存事業者は淘汰されるという可能性も高い。

5G Indoor modem

Editor’s Corner—Verizon says its new indoor/outdoor prototype 5G modem solves one of the biggest 28 GHz problems | FierceWireless

28GHz 帯は 5G で利用が見込まれている周波数帯である。空き帯域が十分にあるため占有帯域幅を広くとることができる反面、遮蔽の影響を受けやすいという特徴がある。そのため、例えば LTE のように屋内浸透が望めない。

ガラスを隔てて、屋外の端末と屋内の端末を挟み込むようにして設置し、それぞれが通信できるようになっている。「モデム」とある事から、28GHz 帯を再輻射しているわけではなく、屋内端末が一種のルータのような動作をするようだ。

記事にある Verizon は、Pre 5G として FWA での先行サービス展開を目指している。当然、屋内向けのサービスである。FWA で 28GHz 帯を活用する場合、家の外壁等に端末のアンテナを設置し、そこから屋内に引き込むための工事をする必要がある。今回のような装置を使う事で、そういった工事が不要となるので、ユーザとしても光ファイバのようなものを使うと出てくるような工事が不要で、5G To The Home を利用できるという事になる。

5G repeater

SK Telecom Plans to Extend 5G Range With Repeater | Light Reading

SK Telecom が 5G 向けのリピータを開発したとの事。

リピータは 3G や 4G の頃から日本でも使われている。いくつも種類はあるが、一般的なメリットとしては回線の敷設が不要、比較的小型といったところが挙げられる。一方で、伝播する電波を受けた上でそれを増幅し再輻射するという性質上、適切なエリア設計を行わなければ干渉源も増幅させてしまうため品質が(設置前よりも)低下するというデメリットもある。

記事によると above 6GHz という事なので、高い周波数帯の持つ「直進性が強く、エリアカバレッジを確保しづらい」という問題を解決するためにはリピータは有効な手段と言える。直進性の強さが功を奏し、相互干渉となりづらいと想定されるからだ。

ところで、above 6GHz という事で Massive MIMO およびビームフォーミングのエリア配下でリピータが運用される事になるのだろうが、その場合にどのようなリソース確保が行われるかは興味深いところである。特定のビームをリピータ用に占有するような形になるのかもしれない。そうなると、Massive MIMO の一部を無線エントランスのように運用するような感じか。